現在、日本は少子高齢化社会となり今後も加速していくであろうと言われています。医療は日々、病を患い苦しむ人々を救うために進化し多くの人々を救っています。
しかし、残念なことに病に打ち勝てない人もいます。
現在ある最先端の医療を駆使してもです。
病と共存し残された日々をどう過ごしていくのか、どう過ごしたいのか。それには在宅医療と福祉というものが大きな役割を果たします。皆さんは自分の最期を想像したことがありますか?あなたは、誰とどこでどのように最期を迎えたいと思いますか?
私は医療従事者として様々な最期に立ち会ってきました。現在は高齢者を対象とし最期を迎えるその日まで充実した毎日を送りたい、送らせてあげたいと願う本人、ご家族のお手伝いをさせていただいてます。その中で私が学んだこと、考えたこと、アドバイスできることを医療と福祉の両面からご紹介していきたいと思います。
現在、厚生労働省は重度の要介護状態となってもできる限り住み慣れた地域で療養することができるよう、在宅医療を推進施策を講じています。
では、在宅医療とはどのようなものなのでしょうか?
*在宅医療とは
その名の通り在宅で行う医療のこと。外来・入院についで第三の医療として捉えられています。
*定義
狭義には、緩和医療などの医療者が通院困難な患者の自宅もしくは老人施設などを訪問して医療を 行うこと。広義には、「病院外」で行うすべての医療のことです。例えば処方してもらった薬を自 宅で飲んだり、注射薬を使用しつつ職場に通ったりするなど、通常社会生活を行いながら、自宅で 行う医療、継続する医療はすべて在宅医療といえます。在宅患者は自立度の高い人から低い人まで 様々です。
*在宅医療の内容
在宅医療に特段制限はありません。代表的なものには、悪性腫瘍(癌)、脳疾患(脳梗塞、認知症 など)、整形疾患、呼吸器疾患などが挙げられます。
常時継続し患者家族が管理する在宅療法と医療者の訪問時に提供される医療を組み合わせます。
このほか、介護サ-ビスなど、在宅生活を営む上で様々な療養上のアドバイスを行います。
*在宅医療の担い手
・訪問診療・往診 医師が定期的・計画的な診療(月2~4回)により病状管理を行う。容態悪化時には随時訪問し診療も行う。
・訪問看護 訪問看護師の定期的・計画的な訪問により患者の医療的な処置、ケアを行う
・訪問歯科診療 歯科医師が訪問し歯科診療を行う。診療車に診療所と変わらない設備を擁し在宅でも十分な診療を提供できる診療所も存在する。
・訪問歯科衛生指導 歯科衛生士が訪問し単なる歯磨き指導に留まらず、食事摂取を継続していくための様々な助言指導も行う。
・訪問リハビリ 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が定期的・計画的に訪問し必要なリハビリテ-ションを提供する。単なる機能訓練に留まらず在宅生活を維持しQOL(生活の質)を向上することを重視する。
・訪問薬剤指導 薬剤師が訪問し調剤や医材の供給はもちろんのこと、処方されている薬剤について正しい服薬法などについて指導助言する。また残薬整理や副作用状況、在宅患者個々の状況に合わせての服薬支援方法の提案や医師や他職種へのフィ-ドバックを行う。
医師の往診に同行し処方に対して薬学的な視点からフィ-ドバックを行う。
・訪問栄養指導 栄養士が訪問し、療養上必要な栄養・食事について助言指導する。
以上のように、家庭や施設でも安心して医療を受けられるシステム。
それが在宅医療です。
しかし、施設での在宅医療では施設職員の協力がありますが家庭での在宅医療となるとご家族の協力が必要とされます。正直、負担も大きいと思います。
そこで活用していただきたいのが福祉です。
福祉と言っても様々な種類があります。
この先こちらでは高齢化社会という観点より高齢者向け、また高齢者の介護を行っているご家族に向けた福祉サ-ビスについてお話してみたいと思います。
福祉サ-ビスを知り活用することで、困難な中で少しでも安心し笑顔で日々向き合えるお手伝いになるような発信をしたいと思います。